IllustratorとInDesignどちらを使う? 文字組み編
みなさんはIllustratorとInDesignをどう使い分けていますか?
ページ物だったらInDesign、ペラものだったらIllustratorと使い分けている人が多いのではないでしょうか?
Illustratorでもアートボードを増やせばページ物も大丈夫と思って使っていらっしゃる方がいましたが、Illustratorでアートボードを増やすと動作が非常に重くなり作業効率が悪くなります。
逆に「ペラものをInDesignで作ったらどうでしょうか?」
実は、ペラものでもInDesignで文字組みをした方がとても綺麗に文字が組めるんです。
ここではその理由をお伝えします。
1. テキストボックスの幅が簡単に決められる
Illustratorでテキストボックスを作るとき、「なんとなく」または根拠の無い数値の幅で作っていないですか?
文字をベタ組みで組んで、両端均等揃え(ジャスティファイ)にしたとき、テキストボックスの幅が正しくないと文字のアキが空き過ぎていたり、詰まり過ぎてしまいます。
テキストボックスを作る時は、入る文字の数とサイズで計算する必要があります。
日本語組版は単位を「ポイント」より「級」で行うと計算がしやすくなります。
(例)1級=0.25mmなので、13Qの文字が25文字入るテキストボックスの幅は、
13×0.25×25=81.25mmとなります。
ボックスの幅を毎回計算するのは面倒ですが、InDesignなら『グリッドツール』を使えば0.25mm単位のボックスが簡単に作成でき、入る文字数も簡単に分かります。
(X軸、Y軸の座標も0.25mm単位で入力するとレイアウトがきれいに仕上がります。)
2. 文字アキ量設定がIllustratorより細かく設定できる
少しハードルの高いアキ量設定ですが、InDesignの方が細かく設定できるのでかゆい所に手が届きます。
3. ルビ機能がある
Illustraorにも付けて欲しい機能ですよね。文字を小さくする、注釈で付けるなどいろいろやり方はありますがIllustratorではいわゆる力業で付ける事になるので、左右位置が合わない、高さが揃わないなどの見た目上の不具合も出てきます。また、修正が入った場合ずれてしまうので作業が大変です。
InDesignで付ければ統一された位置に簡単綺麗に付けることができますし、修正が入った場合でも安心です。
4. 表が簡単に作成できる
これは本当に嬉しい機能です。Illustratorでは専用のプラグインや、長方形グリッドツール、Tabを駆使して作成するので時間がかかってしまいます。
他にも、Illustratorでは1つずつ作業していた縦中横設定がいっぺんにできたり、圏点が簡単に付けられたり、複数のファイルを1つにまとめるブックがあったりと便利な機能がたくさんあります。
機能 | Illustrator | InDesign |
テキストボックスの幅が正確で簡単に決められる | △ | ◎ |
文字アキ量設定をより細かく設定できる | △ | ◎ |
ルビ機能 | × | ◎ |
表作成 | △ | ◎ |
縦中設定 | ○ | ◎ |
圏点 | × | ◎ |
ブック機能 | × | ◎ |
表にすると一目瞭然で、文字を組むにはInDesignの方が優れています。
さらに、Illustratorよりも動作が軽いので作業が捗ることは間違いないでしょう。
Illustratorの方が歴史は古いので使い慣れている方が多いかと思いますが、これを機会にInDesignを使ってみてはいかがでしょうか。