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印刷見積に困ったら・・・


印刷見積のバイブルです

書名:積算資料 印刷料金2020年版

発行:一財)経済調査会

ISBN978-4-86374-275-8

定価:3429円+税


発行元の一財)経済調査会は、価格調査を主要な業務とする一般財団法人として、経済の調査研究、物価・工事費等の調査を行い、適正な成果や公正な情報を広く一般に提供しているそうです。その中の一つに印刷料金に係わる内容をまとめた物が「積算資料 印刷料金」として毎年発行されています。

印刷の基礎知識にはじまり、各作業工程毎に説明と単価をわかりやすく解説してあり単価を調べる資料としてだけでなく、読み物としても読める一冊です。

さらに、Webサイトで「いんさつPlaza」として「印刷料金」掲載単価を基に印刷費積算の手順をサポートしています。そちらのサイトもオススメです。


今回は、印刷の見積もりを!というときに参考になる書籍の紹介です。



わたしが、印刷会社に初めて入社した時は、工務部(生産管理)に配属でしたが、2年程で営業へ転属になりました、その数年後に出会ったのが2001年度版の積算資料でした。

印刷の見積もり依頼にピンチ! そんな時

「大至急の見積!」「用紙2パターン&頁数16p24p32p」&「部数1千~5千で千部刻み!! 」それだけで30種類!? なんてかわいいほうです。
外回りから戻り、入稿や下版を処理した後に見積なんて、値段を問い合わせてもその時間では製本屋さんなんてもう居ませんよ(笑)

そんな困った時に本当に参考になりました。今でもたまに読み返します。

そして今年20年ぶりに2020年度版を入手しました。前回の記事に登場した時点では個人で使用するつもりでしたが、つい先日社長に「経費で購入して良い」と言って頂き、そして今回の記事に至ります。

そこで近年の市況を・・・・

                             注:イメージです

確かに20年前の値段と比較するのはナンセンスです。当時はCTPなど無く、製版フイルム+アナログ刷版、印刷機も版替えは手動、インクの壺調整も手動(自動もありましたが)確かに設備は格段に良くなりました。それに伴って無くなって行った工程もあります。

ここで少し20年前との金額差を紹介したいと思います。金額をそのまま書くと著作権に触れてしまうのであくまでも差額です・・・

印刷代:菊半才 2,500通し1c当たり -1,125円

   (2001年は2500通しまで台数単価、2020年は1500通しまでが台数単価)

    菊全判 4000通し1c当たり -1680円

断裁代:A4仕上がり1000部 -400円  1万部だと-1,500円

製本代:中綴じ A4-表紙+16p 1千部 -5,500円

    (16頁折代だけ見ると-1,770円)

そうです。2001年よりこれだけ単価が下がっているんです!!

確かに2001年度版の積算資料は当時「こんな値段じゃ取れないよ!」なんて思う位の金額設定でした、むしろ積算資料の金額で出しておけば、裏の取れていない見積で落札出来ても、原価割れはしない・・・的な感覚で使っていました。

書店で3千数百円出せば買えてしまう単価表、良くも悪くも利用出来ると思います。自社の相場は資料と比べて安いのか、高いのか、協力会社へ依頼した際、適正価格なのか・・・。 
しかしながら、一概に金額だけを見るのではなく「A社は調色機がある」、「B社は24時間動いている」、「C社は加工まで社内で行える」などを踏まえて金額を判断しなければいけません。

社会全体がデフレの中、紙業界もやはりその渦中にいるわけですが、単純に安さだけを追求するのであればネット印刷にはかないません、しかしネット印刷にもデメリットがあります。ネット印刷が不得意とする所を付加価値として見出し、新技術、特殊印刷・加工、クオリティー、小回りのきく利便性、そしてなによりも安心感などを整えて、単価アップにつながっていくと良いですね。

わたしはそれが業界全体のプラスになると思うのですが・・・。