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「効率」と「幸率」

わたしたちの会社では「幸率」という言葉を大事にしています。
これは効率をもじった言葉で、商品開発から経営に至るまで、一貫して大切にしている考え方でもあります。
簡単に説明するなら「効率は幸福から生まれる」といったところでしょうか。

たとえば、わたしたちは印刷会社としてさまざまな広告物を制作しています。
当たり前の話ですが、広告とは伝わり、広まるものでなければなりません。

そこで気をつけたいのが、広告が嫌われやすいものであるということです。
チラシであれ、テレビCMであれ。
頼んでもいない情報が一方的に届けられるわけですから、邪魔と思われてもしかたがありません。
アドブロッカーのようなアプリが浸透しているのも、ある意味では当然のことだと思います。
欲しい情報を選んで手に入れられる今の時代、余計な情報はノイズにしかならないのです。

そこで、わたしたちが大切にしているのが「幸率」です。
おもしろいもの、ユニークなもの、感動的なもの。
人の心をポジティブに動かすコンテンツにこそ、「効率」的に情報を届けるための力があるという考え方です。

SNSが浸透した現代社会において、人々の関心を集めるような、いわゆる「バズる」広告には計り知れない価値があります。
本気で何かを伝え、広めることを考えたとき。
人を惹きつけるコンテンツとして発信することは、とても現実的な選択肢なのです。

伝えるのではなく伝わる。
広めるのではなく広まる。
そのための仕掛けと、伝えるべき情報を組み合わせ、コンテンツとして成立させる。
それが「幸率」という観点から考えた理想の広告になるわけです。

もちろん、幸率が重要なのは広告だけではありません。
営業やブランディングが目的だとしても、同じように大切なものだと考えています。

わたしたちが開発した辞書型名刺も、そんな幸率をかたちにしたもののひとつです。
もはやただの慣習になってしまった紙の名刺。
それを本にすることで、読んで楽しいコンテンツに変えてしまったわけです。

ユニークだから埋もれず、興味をもって読んでもらうことができる。
おもしろいから自然と広まり、名刺だからこそ捨てられない。
たとえ伝える内容が同じであっても、チラシやパンフレットではこうはなりません。
まさに幸率を体現したツールといえるでしょう。

さらに、わたしはこの考えを経営にも反映させています。
効果のある広告と同じように、成果が出る仕事にも幸率が重要という考え方です。
楽しみのある仕事とまったくない仕事。
やらされてやる仕事とやりたくてやる仕事。
はたしてどちらが素晴らしい成果を生むでしょうか?
強引に読ませるような広告より、自然と読みたくなる広告の方が効果的であるように。
社員をむりやり働かせる方法ではなく、働きたいと思ってもらえる方法を考える方が、企業にとっては価値があるといえないでしょうか?

商品開発から経営に至るまで。
宗美流のウェルビーイング経営を言葉にしたのが、この「幸率」という考え方なのです。