DTPエキスパート更新試験!2020
印刷業界の方はご存じの方も多いと思いますが、印刷関連の資格のひとつでJAGAT認証DTPエキスパートという資格があります。私もその資格保有者で、今年で6度目の更新となりました。
更新するには2年に1度、学科試験と記述試験に合格しなくてはなりません。試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、Webサイトよりログインして受験するシステムです。学科問題は2部構成で、1部60問程度の択一式×2セットとなっています。正解率が80%以上で合格となります。これとは別に200文字程度のレポートの提出があります(こちらは合否判定はありません)。
正解率80パーセントで合格だが…!
試験期間は約1か月程ありますが、学科試験120問の設問の中には、5か所の空白を全て埋めて(正解であれば)1問正解という厳しい問題もありますので、回答数はかなりの数になり、還暦を超えた私には厳しい1ヶ月(土・日)となります。
試験は3回チャレンジできるので、3回目までに80%正解すれば合格です。私の場合、まず1度目は何も見ずに回答してみます。採点してみると、いつも概ね50%くらいの正解率でしょうか。そこから不正解だった箇所を確認して(正解も表示されます)その正解を、私の老いて硬くなった頭に叩き込みます。そして改めて2度目のチャレンジ(出題の順番はシャッフルされているので1度目の回答番号をメモしておいても意味がありません)。今回はなんとか正解率95%で合格となりました。
今年(2020年3月)より制度が変わり、新たに受験する人は学科試験だけの受験が可能になり、その合格者が「DTPエキスパート」として認証され、学科試験・実技試験の両方に合格すると「DTPエキスパート・マイスター」として認証されることになりました。これにより2019年以前に資格を保有している人(学科・実技試験両方合格)で2020年以降の更新試験の合格者も「DTPエキスパート・マイスター」として認証されるそうです。
私は10数年前に取得していますが、仕事としてのDTPオペレーティング作業は一度も経験のない営業職です。そんな私が「DTPエキスパート・マイスター」に認証されていいのか…。そう思うと複雑であり、またこっぱずかしい気持ちにもなります。大げさなたとえで言うと昭和22年以前に生まれた人が普通自動車免許を取ると、一度も運転した事が無くても大型自動2輪免許も持っている。そんな感じでしょうか…。 そんな思いもあり、還暦を過ぎた今、更新するのかそれとも辞退するのかで相当悩みました。
しかしあの日の事を思い出すと……。
悶絶しながら挑戦したあの日…。
私は個人一般受験でしたので、会社で申し込む有料セミナーを受講してプレテストを受ける等の事はしていません。参考になる書類・インターネット・会社で先に資格を取得した方からの情報をたよりに3か月間、朝・夜の通勤電車の中と休日に勉強しました。もちろんノートに記録しての勉強など学生時代以来やっていないので何十年ぶりでしょうか。
その時の試験会場は青山大学でした。前日は早めに寝ようと布団に入りましたがなかなか寝付けず、2時間ほど寝たところで、おなかが痛くて目が覚めました。
トイレに入りしばらくしても痛みが止まらない!よりによってこんな日に!それて下痢もしていない!何なんだろう?30分位して奥さんが起きてきて「どうしたの?大丈夫?」と聞くので状況を説明し、「ものすごい激痛なので少し休んでも治らなかったら救急車呼んでもらうかも…。」と脂汗をかきながら伝え、少し横になりました。すると少しずつ痛みが和らぎ、我慢できないほどではなくなりました。奥さんは「今日は辞めたほうがいいんじゃない?」といいましたが私は「この3ヵ月と受験料を無駄にしたくないんだ…。ゆっくり各駅停車に乗っていくから大丈夫。」と答えました。
6時頃には家を出て受付時間より2時間位早く到着したので青山大学の向かいの喫茶店で参考書を見ながら受付時間まで時間をつぶしました。そしていよいよ試験開始。休憩を含めて約5時間位だったでしょうか、やっと試験も終わりその時の自己採点(予想だけ)ではたとえ合格出来てもギリギリの感じ
合格発表は後日Web掲載でしたが、何と!まさかの合格でした。50才以上の合格者は数人だった(受験者も少ないから当たり前)ようで喜びもひとしおでした。
こんなバタバタの試験日の事を思い出すとやはり更新せずに資格が無くなるのはむなしいような……。
運転免許じゃないけどそろそろ返納か……という思いが何度も脳裏をよぎりましたが、そんなこんなで、いろいろ考えた結果この業界にお世話になっている限り、また2年に一度はボケ防止の為に勉強するのも良いことだと思いやっぱり更新しよう!と決めたのでした。
【追伸】
後日かかりつけのお医者さんに今回の腹痛の原因を聞いてみると「状況を聞くとその急激な痛みは多分ですが、ストレスからくる胃痙攣だと思いますよ。」と言われました。何とも情けない……。